アリババのジャック・マー会長「AIが人間を幸せにするか否かは人間の努力次第」

ロボティア編集部
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 ただ彼の夢は英語の先生ではなかった。1995年には大学を離れ創業。目をつけたのは、インターネットだった。当時、インターネットは中国人にとって見知らぬ代物だったが、「金の卵を産むガチョウ」になるとマー会長は直感していた。それでも、教師経験しかないマー氏にとって、事業を軌道に乗せるのは容易ではなかった。初期には、失敗を重ねたという。

 やがて、中国政府が主催するインターネットのネットワーク業務を引き受けることになったマー氏。政府の仕事は名声もお金も手に入らず、苦労だけが先行した。しかしそれは同時に、ECビジネスの可能性を感じる経験ともなった。政府の干渉にしびれを切らしたマー氏は、1999年にその仕事を辞め、同僚とともにアリババを設立した。

 ほぼすべてのスタートアップ企業がそうであるように、アリババも苦戦した。投資誘致に乗り出したが門前払いが続き、オフィスの家賃やスタッフの給料を賄えない日々が続いた。それでもマー氏はあきらめなかった。説得の末、ゴールドマン・サックスの投資誘致に成功。2000年には、ソフトバンクから2000万ドルを誘致した。その後、急成長を遂げたアリババは、2005年にはYahooチャイナを買収。2007年の香港上場に続き、2014年にはニューヨーク証券取引所に進出し、Amazonに匹敵するグローバルEC企業として世界にその名を知らしめた。

 起業家としての夢をかなえたマー氏は、より大きなビジョン=社会的責任を果たすことに力を注ごうとしている。2016年に中国の起業家クラブ(CEC)会長に選任された後、座談会で次のように話したという。

「あなたが100万元を持っていれば、それはあなたのお金だ。しかし、財産が2000万~3000万元になれば、それはもはやあなたのお金ではない。社会があなたに任せたお金と見なければならない」